東京大学高齢社会総合研究機構主催により、
千葉県柏市で、生涯学習を通じて地域住民のつながりをつくり出すことを目的として、
一昨年前から開催されている、「くるるセミナー」。
昨日は、東京大学教育学部時代の同期で、
現在もこちらの大学院にて「くるるセミナー」の運営をしている荻野亮吾氏にお声掛けいただき、
講師として参加させて頂いてきました!
この「くるるセミナー」は、生涯学習の様々な講座を提供するだけでなく、
地域住民が自主的にグループ活動を行っていけるよう支援していくことを目的としていて、
今回も、「地域のコミュニケーター養成講座」と題された連続講座の中で、
私がそのうちの第3回目を担当するという形でした。
今回の参加者は、60代〜80代。
これまで、子どもから社会人を対象に色々とワークショップを行ってきましたが、
この世代と一緒に書道をするのははじめてのこと。
正直なところ不安もあった私でしたが、
当日は、とても和やかで、経験豊かな方々が集まってくださって、
最初から、おしゃべりもはずみ、楽しくスタートさせていただきました。
まずは自己紹介、
それから、好きな漢字を一文字決めて発表した後、筆で、「自由に」創作をしてみました。
「自由に」というのはなかなかむずかしいものです、というお話をする予定だった私ですが、
今回参加してくださった皆さまの中には、
高校時代に前衛書道の授業を受けたこともあるという方もいらっしゃり、
はじめからかなりの自由度の高さ!
さらに自由度を上げていくために「ぐるぐる」や「ギザギザ」を書いたりするうちに、
筆運びがよくなって、さらにさらにと自由で、おもしろい作品が出てきました。
気に入った作品をひとつ選んで、集まって見せ合いっこ。
「自由に書くのはなかなかむずかしい」
「こだわりが強いのか、先生の意図するようには自由に書けなくて」
「ぐるぐるを書いてみて雰囲気が違うものが書けた」
などの意見が交わされました。
次は、自分の名前でロゴをつくってみよう!ということで、
世の中に広まっている居酒屋や日本酒などの筆文字ロゴを見てみたあと、
自分の名前を使って自己表現をしてみる時間をとりました。
そして、気に入った作品を今度は2つ選んで、もう一度集まって見せ合いっこ。
どっちの方が好きか、参加者同士で多数決をとってみました。
好みは人それぞれで意見も分かれ、見せる方も見る方も、賑やかな時間となりました。
およそ1時間半の書道の時間が終了したあと、
「企画を立てるということは?」ということで、
私がこれらのワークショップに込めた思いを語らせて頂きました。
短い時間の中ですべてうまく伝えられたというわけにはいきませんでしたが、
参加者が「自由に」参加することの大切さや、そのための場づくりの方法について、
何かを学んで頂けたような気がしました。
来週も、この講座の最終回があるということで、
参加者の方々が今後どんな企画を地域で実践していきたいかアイディアを出し合い、
実際に、市の職員の方などと意見交換がされるようです。
私も、来週も参加させていただくので、どんな議論となるか楽しみです。
終了後、アンケートを読んで、
「楽しかった!」という意見が並んでいて、うれしさでいっぱいになりました。
どんな場でも楽しんでもらえることが一番、学びにつながるように思います。
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<アンケートより参加者の感想>
- 気が楽になりました。
- 「自由な」ということ。自分の事は分からないこと。シンプルの素晴らしさを感じました。子どもや成年との活動に生かしたいと思います。
- 「自由にノビノビ書く」ことが最初はむずかしかったが、次第に熱が入り、楽しくなりました。
- 文字の形に注目できた。
- 自由に書くことに慣れないので最初は迷いましたが、童心にかえれて楽しめました。
- 学校の習字の時より筆を手にしたのは初めてでなつかしく楽しかったです。
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私も今、大好きな祖母が認知症を煩ってしまい、
徐々に、母や家族と「老い」をテーマに話すことが増えてきています。
そんな中、今回は、ご高齢の方々とともに書道をさせていただき、
「童心にかえれて」「なつかしく楽しかった」などの言葉をいただいて、
「ああ、書道をとおして、元気づけてあげられることがあるな」と感じました。
これから更に、子どもや大人、そして、おじいちゃん、おばあちゃんたちと、
書道を楽しむ時間を作っていきたいなぁと思いました。
声をかけてくださった、荻野亮吾氏、
講座を盛り上げ、手伝った下さった、東京大学研究生のみなさま、
そして、柏市の職員の方々と参加してくださったみなさま、
すばらしい時間をありがとうございました!
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