自分らしく書き続ける(書塾生レポート7)

「やるからには師範をとりたい」書塾に入る時の気持ちです。書塾に入って6年、メインで取り組んでいるのは教本の「墨泉」です。今年の昇段試験で四段になりました。

はじまり

お習字を始めたのは小学2年生の時です。中学生で特待生になって、高校生まで習い続けていた事は少し自慢です(笑)。私の祖父も書道をやっていた人なので、お習字の宿題はいつも祖父に習っていました。祖父は私が書くもの全てをほめてくれて、私はお習字が好きになりましたし、上達もしました。大学入学前、一旦書道をやめましたが、社会人になって再開。でもこの時は書くことが楽しめず、すぐに退会しました。

人に教えてみた

辞めて随分経ってから、ママ友にお習字を教えたことがありました。(「永」を書く課題。)頼りない教え方でしたが、「書けた!」と、言ってくれたのが嬉しくてとても楽しい時間でした。「また始めたいなぁ」と思った後、娘のクラスメイトのママだった寧月先生と出会い、娘と花紅に通い始めました。

花紅との出会い=書道との出逢い

私はこの書塾で初めて「書道」に出逢えたと思っています。これまで私が学んでいたのは「書写」だったようです。書道を知ったことで書き方の幅が広がりました。同じ文字を書くにも、使う筆を変えてみると筆の使い方が変わり、書く感覚が違ってきます。そしてお手本通りに書くだけではない。「これが正解」というのはたぶん無くて、自分らしい字を書く事。でもそれが本当に難しい。新たな発見が多いのも花紅でした。

教本、「墨泉」

書塾では、好きなものを自由に書く生徒さんが多い中で、私はひたすら墨泉の課題を書いています。これまでの課題でたくさんの字に出会いました。自分が苦手な字、書きやすい字、書けそうで書けない字。お手本をよく見て、真似する。繰り返すうちに、書けるようになっていきます。昇級(段)は1つのモチベーションですが、段位になってからは難しいことが多く、先生の提案で古典臨書を始めました。月2回のうち、臨書と課題提出1回ずつです。今は仮名の昇級にもチャレンジ中、勉強を始めています。(そろそろ本腰入れて仮名やります)

臨書やろう

「やろう!」として、すぐ書けるほど簡単ではないし、自信(やる気)がなくなる時もありました。でもとにかく真似て書いてみる。必ず上達を感じることができます。

九成宮醴泉銘 ずっと楷書やっていたから、書けるだろう、なんて、甘かった。。思い通りの線が書けなくてびっくり。

蘭亭序 前に書いた事あるから、書けると思う、、いや、ほとんど書けませんでした。しかし作品展用に何度も書き続けたところ、書く感覚がずいぶん変わりました。初めて「ちょっとレベルアップしたかも!」という感覚がありました。

小学4年 S.I / 母 綾子 臨書 王羲之 「蘭亭叙」

風信帖  初めての全臨で達成感と自信がつきました。太い筆で大きく書くばかりだった私ですが、細い筆で書く事で力加減を学び、流れるように書く感覚がわかりました。この頃だったか、墨泉の課題が少しだけ易しく感じるような時もありました。少しですけど・・。

綾子 臨書(半切) 空海 風信帖
綾子 臨書(半切) 空海 風信帖

昇段試験にチャレンジ

毎月課題とは別に、年に1回昇段試験を受けています。半切で楷書と行書の2枚を提出するのですが、かなりのパワーを使います。試験料は別料金なので、中途半端に挑めません(笑)。しかしこの試験、なかなか満足できる1枚が書けなくて、毎回焦ります。上達は確かに感じるのに、どうしたら満足できる一枚がかけるのか、目標の「師範取得」まであと何年かかるのか。そう思いながら来年も試験を受けようと思います。 

教える人になりたい

今年の作品展は、雁塔聖教序です。 難しい課題選んでしまったー!と、一度後悔しましたが、自分らしい作品になったと思っています。楷書は行書や草書とは違った難しさがあり、書くのも疲れます。しかし、馴染みがある一番好きな字体です。私は創作やオリジナルな文字を書くセンスは無いので、基本の楷書をきれいにさらっと書けるようになりたい。そして、それを教える人になりたい。教室を開く、子供の書初めのお手伝いをする等、私の老後の楽しみです。(まずは5歳の息子に教えようと思う)

綾子 創作 生命美也

継続は力なり

花紅での6年、休み休みでもやめることなく続けてこられたのは先生のおかげだと思っています。漢字作品、臨書、仮名、まだまだ未熟で、毎年の作品展は皆さんの作品に圧倒されっぱなしです。自分の作品にもっと自信が持てるように、これからも自分なりの書道をコツコツと続けて行くつもりです。「継続は力なり」だと信じて頑張ります。今後もよろしくお願い致します。

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綾子さんへ

書塾に来てくれたときから既にとても上手だった綾子さん。教えることを始めたばかりの私は「こんな上手な人に教えてもいいのだろうか」と思ったものです。

それでも、綾子さんはずっと書塾についてきてくれました。いつも私を、時には生徒として、時にはママ友として、支えてきてくれた綾子さんがいたからこそ、ここまで続けてくることができました。感謝しかありません。

わずか数年の間に、人生いろんなことがありました。休み休みでも続けること、書き続けること。雁塔聖教序、とても生命力に満ち溢れています!

これから教える練習もしていきましょうね。今後ともよろしくお願いします。

寧月