Small but always challenge(書塾生レポート8)

2017だったと思いますが、書道の扉を30年ぶり(?)にあけました。きっかけは友人が書道を始めたと聞き、体験できますよと声をかけてくれたから。

日々の生活の中で文字を“書く”ことをしていないなと、さらにたまに書く文字(特に漢字)については正しく書くことができなくなっていることが気になっていた中で、軽い気持ちで体験に参加したのが始まりです。

筆を持つこと自体30年以上ぶりだったのですが、かろうじて持ち方は覚えていたことに驚きです。

最初は楷書、小学生の時書いていたものから始めました。書けるか不安でしたが、子供時代の習い事は体が覚えているようで、楽しく字を書く時間を過ごしました。その後、行書、草書と進んでいきますが、それぞれの文字の特徴をつかみ表現することは難しかったけれど、それでも引き続き楽しい時間を過ごしていきました。

正実 臨書 王羲之「蘭亭叙」
正実 臨書 孫過庭 書譜

そして、壁にぶち当たります。かなです。

小筆では、名前以外を書いたことがないので、いろはにほへとの50文字が、あんなに難しいとは思いもよりませんでした。線の太さ細さ、流れ、行間、文字間等をすべて合わせることができないのです。 悪戦苦闘の日々が約2年続きました。

まあまあ、まとまったものができるようになったのが以下の作品です。

正実 臨書 高野切第三種

かなを特訓して感じたことは、とっても“日本ぽい”ということです。話し言葉の“日本語”も、ヨーロッパ言語や中国語と比べると“やわらかい“音だと感じているのですが、かなも漢字に比べると”やわらかい“印象を受けます。両方とも日本人の感覚を表すものだなと感じながら書いていました。

今年から漢字に戻り、九成宮に挑戦しました。楷書の一種ですが、九成宮の線を出すことが難しく、横線一本で九成宮ぽさがなくなってしまうことに、書道の面白さを感じます。

正実 臨書 九成宮醴泉銘

当初の目的だった文字をきれいにきちんと書くは達成できているかわかりませんが、1か月に1回、静寂な時間をただ文字を書くことに集中するということを楽しんでいけたらいいなと思っています。

また、縦書きの文化も残ってほしいと思っています。縦書きで書かれた本というのは珍しいらしく、海外の人に面白がられたことがあります。こちらも日本の文化の一つだと思いますので、大切にしていきたいなと思います。

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正実さんへ

いつも子どもたちの会話に耳を傾けてくださりながら、楽しそうに書塾に参加してくださる正実さん。ありがとうございます。

かなを書き出してから、その難しさを目の当たりにして悩んでいらっしゃる期間がありましたね。筆を変えてみたり、墨の濃さを変えてみたり。どうしても納得いくものが書けないと、一度は作品展の参加を頑なに辞退されたこともありましたね。その真摯に書に向かう姿勢に、心を打たれたのを覚えています。

それでも、かなの2年目には鍛錬の成果で高野切の作品を完成させてくださいました。あの時の、2年間分の達成感もまた、記憶に鮮明です。

今年は九成宮醴泉銘。「壱」がどうしてもうまくいかないと、横線をたくさん練習されていましたね。とても美しい時間だったと思います。

これからも子どもたちとぜひたくさん語らって、歴史や文化の話をしてください!

寧月