アラ還で、始めてみました。(書塾生レポート9)

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書塾に入れていただき、約五年が経ちました。子育てもあらかた終わり、人生の終盤に向かって、さてやり残した事は…、と考え始めた時、まず思い当たった文字問題。書く事にずっとコンプレックスを持っていた私。このまま死んでしまうのも(笑)後悔しそうだなと。しかし、苦手な事を上手になろう!というのは甘くはなくて…。

始めは実用教本から。ん十年ぶりの書道に、筆を持つのも緊張しました。周りの生徒さん達は達筆で、姿勢もビシッと決まっていて素敵!初心者には場違いだったかなあ、と始めて早々に気持ちが折れたのを覚えています。

やがて仮名の練習に入りました。形を気にすると大きさはバラバラ。行は真っ直ぐにならず、文字間隔も離れすぎたり詰まったり。一枚の半紙にバランス良く収める事がとても難しいと知りました。

雅子 臨書 いろは集字

次に連綿に進みましたが、今度は繋げるのが大変。太くなったり細くなったり途切れたり。

雅子 臨書 寸松庵色紙

小筆から大筆へ。風信帖、蘭亭序と漢字の練習に進みました。文字が大きくなった分、文字の入りやとめ、はね、はらい…欠点が目について。雑だなぁ…と書き上げたものを後で見直して落ち込む事、度々。

雅子 臨書 王羲之 蘭亭序

コロナ禍に入ると自宅で一人時間が無くなって、筆を持つ時間が減りました。そんな中、小中学生の生徒さん達が多い時間に通い始めました。みんなとても楽しそう。自由で柔軟。集中力があり、我が道を行く姿には教わるものがありました。


書く事に苦手意識が強かった私。上手になるのが目標なのですが、まずは好きになる事、楽しんで書く事が足りなかったと遅まきながら気がついて。自宅では筆ペンや小筆で「ちょこ書道」する時間を持つようになり、以前より楽しめるようになりました。

今年の作品展は初の半切。楷書は誤魔化しが効かず、文字の大きさも文字間隔も思うようにいかず…悪戦苦闘でした。とにかく提出出来て良かったぁ!

寧月先生の「いいです!」の励ましに、何度か挫けながらもここまで続けてくる事が出来ました。いつか目指す文字が書けるように、続けて行きたいと思っています。これからもよろしくお願いいたします。

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雅子さんへ

上品で美しい線を持つ雅子さん。

「むずかしい、むずかしい」と言いながら、筆から現れ出てくるその線はいつも落ち着いていて美しい形を描き、羨ましくなるほどです。

今年の雁塔はそんな優美な線を持つ雅子さんにピッタリな作品でしたね。

今思えば、「かな」からのスタート。2年目の寸松庵は2年目とは思えない出来。

最近は大筆中心になっていましたが、今、小筆を持ったらきっと、数年とは違うご自分の文字に出会えるのではないでしょうか。ぜひ、実用に生かしてほしいな、と思います。

アラ還になるのもいいものだなぁ、と。書塾の人生の先輩方を見ながら、最近、そう思う私です。