書道では、左右のバランスがとても大切です。
作品のできあがりのことではありません。
「身体」の、左右のバランス、と
「脳」の、左右のバランス。
書道には、この両者が欠かせません。
じっくり書道をやってみると、この感覚がわかってきます。
「身体」の左右のバランスが大切であるのは、
日本語が縦書きの文化であることに関連しています。
書道では、「まっすぐ縦に」書くことが、美しさの要。
その、「まっすぐ縦に」書くためには、
姿勢を正し、「身体」をまっすぐにすることが必要条件なのです。
だから、美しく書こうと思うほど、姿勢が正されてくる。
「脳」の左右のバランスが大切であるのは、
書道が、「言語とデザインを同時に操るテクニック」であるからです。
言語は主に左脳の、絵画やデザインは、
主に右脳の働きによると言われています。
そのため、書道は、「左右の脳」を同時に使い、
脳全体を刺激する働きがあると言われています。
書道に没頭し、書き終えた後は、
誰しも、不思議な心身の爽快感を覚えます。
それは、身体のバランスを正し、脳を全体的に活性化した、
ということの現れであるのだろうと思っています。
書道は、心に身体に気持ちがいい。
昨今の書道ブームの裏には、
この書道の「気持ちよさ」への気づきがあるのだろうと思います。