「魂」を書いて


人生にはタイミングというものがあるもので、人との出会い別れがタイミングなれば、依頼される仕事の一つ一つもタイミングなのだと思います。

人生の不思議な流れの中で、この度、「魂」を書く機会を与えていただきました。真言宗の由緒あるお寺金剛院のご住職野々部さんがその機会を与えてくださいました(以前の金剛院に納めさせていただいた作品についてはこちら)。

今、ウィルスという見えない脅威に社会が不安を感じる中で、そしてまた、東日本大震災から9年という日に、こうしてこの「魂」をご紹介することもまた、何かのタイミングなのだと感じています。

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寧月書「魂」(豊島区金剛院)83×83㎝

 

魂は傷ついている 私の魂も あなたの魂も
傷を抱えて泣いている

あの日の傷 些細で だけど深い傷

不安を感じるのは 魂が叫ぶから
怖れを感じるのは 魂が逃げようとするから

もう二度と あの苦しみは味わいたくないと思うから

感じるほどに膨らむ不安
頭の中で広がる怖れ
明日は闇の中にあるように思えるかもしれない

本当?

もう一度 目を閉じて 胸に手を当てて
傷ついた魂をあたためてあげてほしい

愛しい人を思い出して
その時に感じる愛に呼吸を流して
自分の愛を 体いっぱいに膨らませて
そして 解き放ってほしい
そばにいる人に

その時 傷ついたあなたの魂が
光に導かれていくから
魂は光の存在であると 感じられるから

どんなに傷を抱えた魂も
あたためられれば 光を目指す
あたためられるのは あなたしかいない

思い描こう 美しい自分を 美しい世界を
その時が来た

 

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作品は金剛院に伝わる様々な作品たちの中に並べていただきました。私のようなものの作品がこんなところに並べていただいてよいものかと思案してしまいますが、ただただ感謝の念をもって、今後も励んでいきたいと思っています。

最後に東日本大震災で亡くなられた方の魂が安らかであることを祈らせていただきます。

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