書塾花紅 乙巳 書道作品展

11月、快晴。古民家カフェ蓮月にて、書塾花紅10周年となる作品展を開催しました。

高校2年生による題字(正岡子規の句)

小学生27名、中高生16名、大人37名、合計80名。10年前にわずか5名で始まった書塾花紅に、今これほどたくさんの生徒さんが集まってくださっていること、言葉では言い尽くせません。

家族のような場所、花紅。小学生も、中学生、高校生も、大人たちも、共に語らい、遊ぶ。この10年で育ってきたこの場所のあたたかさが、じわじわと外へ伝わっているのを感じます。

小学生の部

中高生の部

大人の部

人気投票

今年は秋の三連休に重なったこともあり、ご家族やご友人、SNSで見つけてくれた人などたくさんの方が作品展を訪れてくださいました。

人気投票の金シールは合計1072枚、210名以上の方が参加してくださったことになります。貼ってもらうとやっぱり嬉しい金のシール。拍手の送り合いですね。

人気投票 創作の部

  • 第1位 中学2年 愛子 「令制国六十八カ国一覧」 70票
  • 第2位 中学2年 陽大 「画竜点睛」 34票
  • 第3位 中学2年 菫 「一音入魂」 32票 

人気投票 臨書の部

  • 智明 顔真卿 多宝塔碑 47票
  • 順子 写経 法華経普門品 34票
  • 彩音 顔真卿 多宝塔碑 34票 

寧月より

「10年も経ったかなぁ」という肌感覚とは裏腹に、振り返ってみれば、書塾花紅は初め本当に小さな集まりで、私もまだまだ教えることに自信がなく、慎ましやかに蓮月の2階を借りていました。イスラエルの方々との交流があったり、コロナ禍ではLINEでレッスンを続け、2度の引っ越しを経て、今に至ります。そう思えば、すでに歴史がありますね。

日々淡々とそれぞれに書きたいものを書ける場所であること、毎年同じように作品展を開催すること、私たちがやってきたのは、ただそれだけです。その「いつも同じようにある安心感」こそが、私たちのクリエイティビティの源になっているのだと、最近ようやく気づきました。太陽が毎日東から登り西に沈むように、私たちの作品展は、毎年必ず秋にやってくる。「来年も必ず来る」とわかっているから、そして誰かに評価されるものでもないから、安心して自分に向き合い、取り組めるのだと思います。

先日、高校1年生になった卒業生からとてもうれしいメッセージが届きました。「高校の選択科目で書道を選び、蘭亭序の全文を書いたときもスラスラ書くことができました!学校の先生に褒められることも多々あって、習っていてよかったと思いました!」とのこと。書塾花紅は小中学生の頃から古典を学ぶ機会を多くとっています。小中学校では書写の筆遣いとは異なるために苦労するところもあるのですが、高校に入って身についている筆遣いの柔軟さをしっかりと実感できるようです。10年の子どもたちとの関わりを経て、私も自分の指導法に確かな自信を持ち始めています。長く続けてくれている子どもたち、本当にありがとう。

では、この1年も淡々とやっていきましょう。それぞれの書の道を信じて。