5年前の7月のある日、
私は、自分に「寧月」と名づけ、
密かに、小さなホームページを立ち上げました。
そう、密かに。
誰かに見てもらえたら、という期待よりも、
誰かに気づかれたら恥ずかしい、という思いの方が、
大きかったと思う。
数ヶ月やってみて、なんにも起こらなかったら、
さっとやめればいい、そんな感覚で、
親にも、友人たちにも話すことなく、
書いてみたいくつかの作品の画像だけを頼りに、
図書館で学んだHTMLの知識を使って、
ホームページを作って、それを、ネット上にあげてみた。
それが、5年前の7月のこと。
それから、5年がたちました。
生まれたばかりだった娘も小学生になってしまった。
短いようで、とても長かった、この5年間。
寧月も、気づけば5歳になりました。
数ヶ月の命かもしれないと思ったのに、こんなに長く生き延びてくれるとは、
私自身が思ってもいなかったよ。
この5年間を振り返ると、
奇跡のような出来事の繰り返しだったように思います。
実は、私のこの5年間は、
息子の妊娠、その後の離婚に至るまで、
目の前のすべてにベールがかかってしまったような感覚で、
薄闇の中、二人の小さな子どもを守るのにただただ必死という、
そんな感じでもありました。
だから、何度も、
寧月は今日で終わりだ、と思いました。
母として、そうしなければならないと思った。
でも、そんな日にこそ、
急に、大きな仕事の依頼が入ったりした。
箱根の旅館ふるさと様、本当にありがとうございます。
保育園に入るのが本当に大変だった。
保育園に入れなければ、働く時間もとれない。
フルタイムでどこかに勤めるしかないのかもしれない。
そう諦めたころ、週数日の勤務でもいいからと、
寧月との両立を認めてくれる、職場との出会いがあった。
職場の皆さま、本当にありがとうございます。
その後も、何度も、何度も、
寧月を諦めようと思うたびに、
まるで神様か、仏様かわからないけれど、
不思議な力が私のところにやってきて、
「続けなさい」と言ってくれました。
そんな、奇跡の連続に支えられてきた、この5年間。
寧月も、5歳になりました。
今、寧月は、たくさんの人たちに支えられています。
ひとりひとり、お名前を挙げさせていただきたいくらいですが、
ここでは控えさせていただくとして、
体は小さいけれど、頭の中の世界は大きく広がっている娘、
お調子もので甘えん坊の息子、
いつも迷惑をかけてばかりの母。
見守ってくれている、あたたかな親戚の皆さま。
小学校、中学、高校、大学からの友人、先輩、
OL時代にお世話になった会社の上司の方々、
寧月の立ち上げ時から支援してくれているメンバー、
この5年間に、寧月に仕事を頼んでくださった皆様。
いつ消えてもおかしくなかった寧月を、
ここまで支えてくださって、本当にありがとうございます。
この5年間を経て、今は、
これから寧月は、か細くとも消えることなく、
この世の中に生き続けていくことができるような気がしています。
それなりの経験をえて、それなりの自信がついてきたということかもしれません。
これから、寧月として、
小さな子どもたちに、元気をなくしている人たちに、
生きる喜びを分けてあげられるような、そんな活動をしていきたいと思っています。
大きな夢も心にいだきつつ、
とりあえずは私らしく、
目の前にある、私に与えられたありがたいお仕事と、
目の前にいる、私の大切な人たちを、
ひとつひとつ、大切に、大切にしていきたいと思っています。
とにかく感謝の気持ちでいっぱいであることを、
書にして、「謝」として伝えさせていただきます。
この5年間、寧月を支えてくださった皆さま、
本当にありがとうございました!
今後も、どうぞよろしくお願いいたします。