夏休みが終わりました。
今年は、娘が小学校にあがり、学童保育は毎日お弁当。
子どもたちとともに、虫を追いかけ、プールに入り、
仕事では、納品あり、オーダーあり、そして、
夏休みを締めくくるがごとく、柏市の小学校でのワークショップがありました!
それももう一週間前のこととなってしまいましたが、
とても楽しいワークショップだったので、まとめておきたいと思います。
今回のワークショップは「東大キッズセミナー」と題され、
6月に行わせて頂いた柏市での高齢者対象のワークショップと同様に、
東京大学高齢社会総合研究機構が主催のイベントでした。
小学校での募集を終了して、申込者が50名を超えたと聞いたときは、
頭が真っ白、、、しかも低学年が半数以上と聞いたときにはどうしようかと思いましたが、
柏市の高齢者の方々や東京大学の学生さんがサポートにはいってくれるとのことで、
それならなんとかなるかーと、がんばってみることにしたのです。
さて、今回は「書道で描くオリジナルうちわ」と題し、夏らしく、うちわを作る企画。
当日は秋のような涼しさでしたが、体育館に子どもたちが集まると、熱気は十分!
まずは、「この漢字からできたひらがなはなんでしょう?」クイズをしました。
次は、書道の基本。筆を持ったこともない1、2年生が多かったので、
筆の持ち方、墨のつけ方から、ひとつひとつ、書道のいろはを教えました。
そして、私がいつもワークショップでおこなう「らくがき=運筆」の時間。
太い線はどうやって書いたらいいだろう?細い線はどうやって書いたらいいだろう?
上手に書けている子に尋ねてみると「細い線はさきっちょを使うと書ける」という声が聞こえてきました。
いよいよ、オリジナルうちわづくり!好きなように筆で描いた文字や絵をうちわに貼り、
和紙やスパンコールで飾り付けです。
子どもたちはこの作業が大好き!! 「時間ですよー」と何度声をかけても終わらない〜。
まだまだ、うちわ作りに没頭していたそうな子どもたちを集め、最後のプログラム。
今回は、ひとり一文字ひらがなを書いて、「いろは歌」で体育館を飾りつけよう!というチャレンジ。
皆、私が書いたお手本を見ながら、大きく、堂々と文字を書いてくれました。
いろはの旗を並べて貼るときは、皆、自分がどこの順番に入るのかわからず、てんやわんやに。
それでもなんとか完成すると、子どもたちはうれしそうに旗を眺めていました。
最後に、皆で声を合わせて読み上げました。
いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす
実は、子どもたちにもっと「いろは」を知ってもらいたいと常々思っている、私。
今回の企画も、「いろは」に興味を持つきっかけとなればと考えたものでした。
今回のワークショップを終えて、家に帰る道の中で、子どもたちのまっすぐなまなざしを思い出しました。
筆を持つ子どもたちの目は真剣で、楽しそう。遊びに熱中している子どもの目ほど、
キラキラと輝いているものはありません。
書道は、まじめにやるもの、丁寧に美しく書くもの、と考えられていますが、
美しく整った文字を書くためには、その前に、
たくさんたくさん落書きの経験を積んでおくことが大事なのではないかと、考えています。
昔は、鉛筆もないので、落書きもお絵描きも、全て筆と墨でやっていたのですから、
いざ文字を書くときにも、子どもたちの上達が早かったのだろうと推測します。
今の子どもたちは、そもそも筆を持ったことがありません。
まずは、筆と墨という用具の特徴を体験をもってよく知ること、それが第一歩なのだと思うのです。
筆ってなんだろう?と熱中する子どもたちは、遊びながら、学んでいる、そんな感じ。
「筆を立てましょう」と方法を先に与えてしまうのはとっても簡単です。
でも、できればそれは、子どもたち自身に探し出してほしい。
「何で筆を立てるの?」「何で楷書で書かなくちゃいけないの?」
いろんな疑問を持ちながら、1000年以上書けて作られてきた書道の歴史と文化の理由を、
学んでいってほしいと思っています。
お家に帰って、また、筆で遊びたいなーと思ってくれた子がいたらうれしい。
これからも、書道の「楽しさ」を伝えられるようなワークショップを行っていきたいと思います。
それにしても、柏の小学校の子どもたちはしっかりと話を聞いてくれて、明るくて、とても素敵だったなぁ。
小学校の先生方、柏市のボランティアの方々、東京大学のスタッフの方々、
貴重な機会をありがとうございました!
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