2020年4月、新型コロナウィルスの影響を受け、世界的に”ステイホーム”が行われていた頃。
私は安穏と自宅で自粛生活を行う中で「何もできない自分」に無力さを感じていました。毎日命に向き合って働いている医療現場の方たちのように働くことができればと思うも、私にはそのような術もなく、ただただ家にいることが精一杯。
そして、ささやかなチャレンジをすることにしました。自然を敬い、日常を愛するというメッセージを込めた百字文をみんなで書くことで、みんなで祈ろう、と思ったのです。ありがたいことにイスラエルの仲間もすぐに共感してくれ、動画編集をしてくれる生徒さんも現れ、この私のチャレンジは現実に向けて歩き始めました。
先日、その動画が完成しました!
新型コロナウィルスは私たちの生き方、価値観に大きな変容を生み出してくれています。新しく始まろうとしている世界は、人の評価を恐れることなく、自分を自由に表現し、それを認め合うことのできる世界であると私は信じています。今、世界各地で巻き起こっている人種差別に対する戦いも、その新しい世界に向けて行われているものと信じています。
百字文リレーの動画には4カ国52人が参加してくれました。宗教も人種も世代も異なりますが、それぞれが今の自分をありのままに表現し、楽しんでいることを感じていただけるのではと思います。
色彩豊かなイスラエルの方々の作品は心躍るものがありますし、私たち日本人には私たち日本人の「型」の美しさがあることもわかります。ハンガリーからの参加者の「日本を愛する心」にも”ありがたさ”を感じずにはいられません。それぞれ異なりますがそれぞれに美しく、そしてまた、みなが集まって美しい。柳緑花紅真面目。
お互いがお互いの良さに惹かれ、どちらが良いということもなく評価から放たれて学び、それぞれの自分らしさがさらに、花開かれていくことを願っています。書道も世界的に開かれる中で、新たな変容を見せる時代に入っているのかもしれません。
たくさん頂いた感想をご紹介します。
楽しそうに個性溢れる作品を書いている世界の皆さんがとても印象的!世界中の皆さんと文化で繋がって穏やかに過ごす時間。こういうのいいなぁと思いました!(日本 女性)
外出自粛ムードマックスの4月、この状況がいつまで続くか先行きも見通せなかった時期に、穏やかながらも希望の光が灯っているような素敵なプロジェクトに少しでも関わることが出来て幸せです。(日本 女性)
出来上がった動画を視て、作品も皆さんの笑顔も素晴らしくて、暖かい気持ちでいっぱいです。(日本 女性)
いろんな思いがめぐり、感動して涙が出ました。(日本 女性)
自分の4文字が、お会いしたことのない方の作品とも繋がって一つの作品になっているというのが不思議で感動的でした。同時に、みなさんの力作に触れて、もっと上達したいという気持ちをもらうこともできました。こういう状況の中、小さいことでも自分にできることを一つずつやっていきたいという思います。(日本 男性)
赤ちゃんからご高齢の方々まで登場していることが奇跡のようですね。でもこれは決して「奇跡」ではなくて……「書を心から楽しみたいと考える人々」が自然に吸い寄せられるようにして集まっていることの、一つの結果だということですね。(日本 男性)
このアイディア、美しく正しい言葉、この機会を与えてくれたことに感謝です。(イスラエル 女性)
とてもユニークなプロジェクトに参加できて嬉しかった。ロックダウンの時間に自由と希望を与えてくれた。(イスラエル 女性)
ありがたいお言葉の数々をありがとうございます。一人一人の思いを丁寧に摘み取って編集し、そして最後に素敵なイラストを添えてくれた書塾の生徒さんに感謝感謝です!
みなさま、ありがとうございました。おかげで私も希望に満ちた数ヶ月を過ごすことができました。