以前、ブログで「これから、書塾花紅の子どもたちの探求の様子をお伝えしたいと思います」と書いてから、あっという間に半年以上経過してしまいました(反省)。
これからゆっくりでも、少しずつでも、面白い書塾の子どもたちを紹介していきたいと思いますが、記念すべき第1号は、現在中学一年生になるRさんです。Rさんは書塾が始まった2016年4月から通ってくれていて、書歴は、書塾と同じく3年半になります。
とにかく自由奔放で、書きたいものを書き、書きたくないときはほとんど書かないで帰る(笑)。集中するときは恐ろしい集中力を発揮してくれる。
そんなRさんが篆書にハマりだしたのはいつのことだったでしょうか?私も記憶は定かではないですが、書塾に通いだして1年半くらい、5年生の後半だったと思います。いつも私の机に置いてある書道字典を眺めるうちに、「この字が好き」と言って篆書を選んで書き始めるようになりました。
自由時間はいつも、篆書。6年生になってすぐには、こんな落書きを残してくれていました。単に上手、というよりも、センスがいい。生来、デザインセンスをもつRさんです。
そして、6年生の夏休みには自由研究で、篆書百字文を仕上げてくれました!百字文を作った時には楷書かせいぜい行書くらい誰かが書いてくれればと思っていたので、子どもの百字文第一号が「篆書」になったのは私も予期せぬ事態でした!
その後も、自由時間はしつこく篆書を書き続けるRさん。教える立場としては、「蘭亭序書いてみない?」とか「隷書もあるよ」とか色々と誘ってみるのですが、彼女は一途にも、未だに篆書一筋。現在は少しずつ、鄧石如の篆書白氏草同記に挑んでいます。
ここまで書くと、Rさんはまるで篆書以外書けないのか?と心配になってしまうかもしれませんが、月1回はきちんと書写作品を提出してくれており、現在は競書雑誌墨泉にて四段。楷書を書いても、どうしても線が篆書っぽくなってしまう時があるのですが、私が指摘するとむしろ、「そうなんです、どうしても篆書っぽくなってしまうんです」と言う顔がいつもとてもうれしそう。そんな顔から彼女の篆書への愛情を感じている私です。
中学校では美術部を選択したRさんは、絵がとても上手。今年の作品展では、生き生きとした鯨を描き、大好きな篆書も添えて、素晴らしい作品を創ってくれました。
これからRさんがどんな書の道を歩んでいってくれるのか、さらに楽しみです。
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