書塾花紅をはじめて、一年が経ちました。
すっかり教室は落ち着いて来て、
いつものメンバーといつもの書道をする、そんな雰囲気になってきています。
さて、この一年を通して子どもたちと取り組んできた活動が、一段落しました。
それは、清少納言「枕草子」を読み、季節の変化を味わうこと。
日本の文化から子どもたちの創造性を育てていきたい、という思いがある中、
かつて寺子屋は“手習い(=書道)”と同時に“暗誦”を大切にしていたことが頭にあり、
書塾花紅でも、書道と同時に暗誦を取り入れることで、
かつての寺子屋に近い教育ができるのではと、少しずつでも始めることにしてみました。
子どもたちに覚えてほしい、感じてほしい古典はたくさんあるものの、
子どもたちには、私たちの暮らす日常の四季折々の変化を感じてほしいから、
「枕草子」ほど、子どもたちにピッタリな教材はありません!
一年をとおして、子どもたちと「春はあけぼの」を読むことにしました。
はじめたのが夏だったため、学習は「夏は夜」からになりました。
古典的かなづかいがわからない子どもたちと、ひとつずつ読み方を確かめながら、
みんなで音読し、「をかし」の意味を伝えました。
「をかし」は今風にいうと「いいね!」。「いとをかし」は「超いいね!」だよ、
と話すと、子どもたちも楽しんでくれました。
そして、宿題として「夏のをかし」を探してきましょう!というワークを。
日常を色で、音で捉える子どもたちの感性に、私も元気をもらいました!
秋に入り、子どもたちに尋ねました。
「夏は夜がいいって、清少納言さんは言ってたけど、秋はいつがいいと思う?」
すると、子どもたちはすかさず「夕方!」と答えてくれました。
1000年経ってもかわらない、日本の風景と、私たち日本人の感性に、感動!
夕暮れは子どもたちも起きている時間帯だから、感じやすいのもあるな〜と思いました。
冬に入り、「冬は早朝(つとめて)」を。
長く音読もむずかしい段でしたが、
今では子どもたちは「早朝」を「つとめて」とちゃんと読んでくれます!
花紅に来てくれる子どもたちは、絵を描くのが好き!
という子も多くて、なかなかの力作ぞろいです!
季節巡って、3月に最後の「春はあけぼの」を音読しました。
「あけぼの」は夜明けなので、子どもたちがなかなか感じることのできない時間。
夜の空が紫に変化していく様をいつか見たとき、「春はあけぼのだ」と思ってもらえたらうれしいです。
一年間とおして、夏〜春を、「枕草子」をとおして感じてきました。
今はまだ、やっと音読したという状態で暗誦には遠いですが、
これから少しずつ、暗誦し、更には、書として書くというチャレンジもしていきたい!
と思っています。
子どもたちが書塾に来てくれる時間はとても短いので、
色々やりたくてもなかなかできないというのが本音ですが、
書道が和歌や日記や、それを書いた人々の感性につながっていることを、
感じていってほしいと思っています!
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