[ことこと書日記 vol.08]「厭離穢土欣求浄土」

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寧月書「厭離穢土欣求浄土」

ことことと、日々を煮込むように。
4月11日満月、寧月のことこと書日記第8回をお届けします。

私は、何を隠そう、大の大河ドラマ好きです。
ここ8年くらいは録画して、しっかり全回見てしまっていると思います。
そんな私が、「真田丸」、現在放映中の「おんな城主直虎」の2作品を見ていて、
どーしても気になってしまったのがこの言葉、

「厭離穢土欣求浄土(おんりえどごんぐじょうど)」。

これは徳川家康の馬印に使われている言葉で、
合戦中の家康の横に、必ず、堂々たる楷書体で現れます。
書道をやっているものとしては、気にせずにはいられない!!

ということで、書いてみました。

寧月書「厭離穢土欣求浄土」

寧月書「厭離穢土欣求浄土」

複雑な漢字が並んでいて、むずかしそうなこの言葉ですが、
「穢土(えど)」=私たちの生きている世界(娑婆)
「浄土(じょうど)」=阿弥陀さまのいる清らかな世界(極楽浄土)
という二つの世界があったときに、
「穢土」から離れ、「浄土」を求めようという思想のようです。
浄土宗にとっては、とても大切な言葉のようですね。

徳川家康は、戦乱ばかりの世の中を「穢土」と捉え、
平和に暮らすことのできる世界を追い求めたいと決めたことから、
この言葉を馬印に選んだと言われているのだとか。

仏教世界の理解はいつもむずかしく、この言葉を前にしてもやはり、
「ふむふむ、なるほど」と合点することはできません。
「穢土」と「浄土」はそんなに分かりやすく分かれているのだろうか?
と思ったりしてしまいます。

ただ、個人的には、暮らしに根づいた日本文化が栄え、
子どもたちの教育への意識が高まっていた、平和な江戸時代が好きなので、
家康の治国の根本にこういった浄土宗の思想があるということは、
とても大きな発見でした!

 

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