花紅いろいろ(書塾生レポート2)

私は、墨の香りが好きです。

風が強い日は、ガタガタとガラス窓が震える古民家「蓮月」の2階。襖で仕切った畳の部屋で、いわゆる「文机」の前に、正座しての90分のお習字の時間は、毎日が忙しない生活を、送っている私にとって、とても大切なひと時です。

鈴子 臨書 空海「風信帖」

鈴子 臨書 空海「風信帖」

「書塾花紅」で、お習字を始めたきっかけは、孫達が塾生として習っていた事でした。私にとっての、「花紅」の、一つの魅力が、ここにあります。

大人だけや子どもだけ、或いは年齢別の、お習字の教室は多々ありますが、「花紅」は、みんなが一緒です。孫も孫の友達も、ここでは一人の同じ生徒です。時々、同じ練習時間を、共有する時もあります。そんな時は、お互い他人顔(笑)です。

勿論、名前は、「○○ちゃんのばぁば」ではなく、下の名前で、それぞれを呼び合います(これが素晴らしい。私は、○○の〜に抵抗を持つ人なんです(笑))。そして、客観的に我が孫を再発見出来る時間にもなっている。(教室終了後に、孫の話を寧月さんとする時間も、私は楽しみです)

鈴子 臨書 王羲之「蘭亭叙」

鈴子 臨書 王羲之「蘭亭叙」

「花紅」は、一人一人の「発想」と「ヒラメキ」「表現」、いわゆる「個性」を大切にしている事も、私には魅力の一つです。

お手本に忠実に書くことは、お習字には勿論基本ですから、そこは変わりません。でも、書きたい物を、自らが選び取り組む事は、大人も子どもも同じです。私より、○十才も可愛い生徒さんと、同じ作品を取り組む事もありました。大人が書いている作品を見て、「私も、書いてみたい…」と言えば、誰でも区別無く、挑戦できるのが「花紅」です。

鈴子 臨書 天智天皇歌

鈴子 臨書 天智天皇歌

作品展への出品は、下手ながら毎回挑戦してきました。「蘭亭序」・「風信帖」、今年は「かな百人一首」に挑んでいます。

コロナ禍で、お教室には行けていません。リモート参加も、ひとりでは、難しい…今は、郵送で少しづつ進めています。自宅のテーブルに、お習字な道具を広げて始める時間が、私にとって素晴らしく贅沢な、ひと時でもあり、誇らしいひと時です。寧月さんとは、ゆうパックとメールとLINEで繋がっています。

こんなレッスンも、いいもんだな〜と思うこの頃です。

鈴子

鈴子 百人一首「かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞふけにける」

鈴子 百人一首「かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞふけにける」


 
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鈴子さんへ

今年で4回目の作品展へのご参加ありがとうございます。
書塾開始から参加してくれた二人のお孫さんたちは、二人ともとても個性豊かで書きたいものをもち、ここまで書塾を導いてくれました。
途中から鈴子さんが共に参加してくださり、“おばあちゃんと共に通う書塾”という幸せな形が実現し、心からありがたく思っております。
コロナ禍でも郵送での受講を続け、「かなの美」に向けた地道な努力を続けていらっしゃる姿に、こちらも励まされて続けることができました。余白を感じられる美しい書を仕上げてくださりうれしいです。
今後ともよろしくお願いいたします。

寧月

 

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