書塾花紅。
通い出して1年を過ぎる子どもたちの中から、競書雑誌での段級取得に加えて、
「もっと何か書きたい!」という知的欲求が高まり始めた子が登場し始めました。
試しに、そんなお子さんに「『百字文』書いてみる?」と尋ねてみたところ、
「書きたい!!」と目を輝かせてくれるから、うれしいではありませんか!
競書雑誌は段級が上がる楽しみがありますが、書く言葉の内容はあまり深さが感じられるものでもなく、
人生について、世界について、深く考え始める小学校高学年ごろになると、
お子さんによってはあまり意義を感じられなかったりするものです(かつての私もそうでした…笑)。
書道は本来、古典の臨書を第一義とします。
何世紀も前に誰かが書き、高く評価され続けてきたものを、ただひたすら書き写す。
その作業は単調で創造性に欠けるようにも見えますが、
実は、その模倣の反復こそ、日本の創造性の土台となるものなのです。
臨書の手本となる作品にはひとつひとつ、その当時の思想があり、
書くだけでタイムスリップしたような面白さが感じられます。
とは言え、臨書の手本となる古典作品に使われる漢字は古くて難解、
書いてある内容も、現代人の私たちには、子どもは当然、大人だって全く意味不明…!!
というのが正直なところです。。。
「百字文」は私と友人が作った簡単な漢詩ですが、
子どもたち、今を生きる大人たちが、古典臨書に向う一歩手前のステップとなれば、
という意図をもって、誰でも理解できる漢字と言葉で作りました。
詩経や論語の引用もあるのでちょっぴり難しいところもありますが、
背伸びすれば十分、小学生でも想像できる内容です。
「幸せとはなんだろう?」
そんな根本的な問いかけに自問自答しながら書き進める。
小さな子どもでも、内に秘めた哲学への好奇心から、
きっと「百字文」を面白いと感じてくれるのではと思っています。
少しずつ、長い作業となりますが、書塾のお子さんが書き上げてくれる日を楽しみにしています。
そして、そんなお子さんの中から、
「千字文」書きたい!「蘭亭叙」書きたい!という子が出てきたら、
私は本当にうれしいです。
ということで、このたび改めて、
小学生の書体で書き改めたテキスト「子ども百字文」を作りました。
他の書道教室の先生方、個人の方など、もし、書いてみたいと思ってくださる方いましたら、
いつでも無料にてPDFを送付させていただきます。
日本語書き下し文、英語訳もついております。
メールくださいませ。
子ども書道・習字手本として、「百字文」が広まったらうれしいな!
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