[ことこと書日記 vol.12]絵本「おかえし」より

ことことと、日々を煮込むように。
6月9日満月、寧月のことこと書日記第12回をお届けします。

今回は、私の大好きな大好きな絵本を紹介します。

私はけっこう絵本好きです。
学生時代から読み聞かせボランティアをしてしまったり、
好きな絵本を買い集めたりしてしまっていた性質で、
子育てを始めてからもいろんな絵本に出会い、好きな絵本はたくさんあるのですが、
そんななかでも、「大好きな一冊は?」と聞かれたら、
まず、この絵本を挙げてしまうでしょう。

「おかえし」
村山桂子作 織茂恭子絵
福音館書店 <こどものとも>傑作集

あらすじを簡単に。
ある日、たぬきさん母子のとなりにきつねさん母子が引っ越してきます。
引っ越しのごあいさつにいちごを持って来てくれたきつねさん母に、
たぬきさん母は「おかえし」をもっていきます。
そんなたぬきさん母に、きつねさん母は「おかえし」をもっていって…

と、この「おかえし」に「おかえし」を返して、返し続けて、
たぬきさん母は最後には息子のたぬきくんも、
更には自分自身もおかえしのプレゼントにしてしまうという、
まぁ、率直に言ってしまえば、ほんとうにただの大バカなやり取り!

でもね、私はその大バカなたぬきさんときつねさんが大好きなんです。
大バカなんだけど、素直で、愛情に溢れていて、楽しい。
「あーこんなふうに、バカにでも楽しく、周りを愛して生きていきたいなぁ」と思うのです。

ということで、今回はこの「おかえし」11回返しを書いてみました。
寧月書「おかえし」

うちの子どもたちもこの絵本は大好き。

先日、私へのプレゼントづくりを企ててくれていた子どもたちですが、
私が二人のあやしい行動に気づき「それなあに〜?」と尋ねたところ、
「いえ、ほんのつまらないものです」と返してきました。

「ほんのつまらないものです」という日本語は、
まちがいなく、この絵本「おかえし」に学んだもの。
こういうさりげなく美しい日本語を子どもたちに学ばせてくれる絵本は、
とっても貴重です。

あらためて、この絵本の素敵さを感じたものでした。

 

>>ことこと書日記トップページ